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カウンセラーから`心のケア`について

1.ガンと診断された時

体調を崩し病院を受診します。いろいろな検査を受けながら「もしかしたら・・」と考えることがあります。しかし、いざ医師から「ガンでした・・」と告げられたらショックで目の前が真っ暗になり、頭の中は真っ白になります。
何で私が・・・何も悪いことしなかったのに・・・と、怒りの気持ち、様々な不安等いろんな思いが生じてきます。
それは、あなたが弱虫だからではありません。
そうなるのが、ふつうなのです。気持ちが落ち着くまで、2・3日〜3週間かかるかもしれません。
もし、あなたがガンの告知を望まないのなら、その事をきちんと診察前にご家族や医療スタッフに伝えておきましょう。そしてあなたの代わりに誰に病気のことをお伝えして、今後の治療について相談すれば良いのかを話し合いましょう。

《家族の方に》
以前は、がんであることをご家族のみに伝えていました。
最近は、ご本人にもお伝えする事が多くなりました。
私たちの経験からもご本人にも真実を告げた方が、結果的に良い場合が多いようです。
ご家族の希望だけでご本人に告げない場合、後々ご本人・ご家族・医療スタッフ間でトラブルが生じやすく辛い思いをすることになります。
私たちと一緒に告知について考えてみましょう。

大切なご家族がガンと診断されたことは、非常に辛いことです。
でもできれば、いつもと同じように接してあげてください。この何気ない日常は死を意識せざるを得ないがん患者さんにとって大変貴重な思い出になります。ご家族の感情的な言動は患者さんにとても負担です。出来るだけ患者さんの意志を尊重したサポートをお願いします。

2.再発したとき

患者さんに聞きますと、最初にガンと診断された時よりも再発が解ったときの方が辛かったと言われます。
一生懸命治療してきたのに何故・・・と腹立たしい思いと共に、もうこれで駄目かもしれないと意気消沈してしまわれます。
ガンの再発時というのは、今後の治療を見直すときでもあります。
体力のある方には、再度積極的治療も可能ですが、そうでない方には治療が負担になることもあります。そんな時緩和的治療を勧められるかもしれません。
いずれにしても正確な情報を知っていることが大切です。医師からご自分が納得できるまでしっかりと説明を受けてください。ご自分の希望もきちんと伝えて今後の方針を決めましょう。

《家族の方に》
再発を知ったときのショックはとても強いです。
ご家族も虚無感にとらわれます。でも患者さんの気持ちを第一に考え、意思を尊重しながら今後どうするかを一緒に考えましょう。

3.精神的に不安になった時

ガンの治療を受けておられる方の3〜8割の方に、意識や注意・知覚・思考が急に乱れる`せん妄`が現れることがあります。体力が落ちることが原因で起きる精神症状ですので、認知症とは違い適切な治療により回復します。
お薬も飲んで頂きますが、大切なのは患者さんの不安をできるだけ取り除き安心して過ごせる環境をつくることです。ご家族の面会や付き添いは、何よりの安心感を得られます。
2〜3割の方に`うつ症状`が出ることがあります。ガンという大変な病気なんだから落ち込んで`うつ`になるのは当然と放置しないで、早く治療を始めましょう。
うつ病は神経の伝達物質がうまく働かないために生じる病気です。治療をすれば良くなります。お薬を飲んだりカウンセリングを受けましょう。心のこと、内面のことも躊躇せず医療スタッフに訴えましょう。医師の前ではつい不安や痛みを弱く言ってしまうことがありますが、「顔で笑って、心で泣いて」では医療スタッフはあなたの苦しみを知らないままです。そんなあなたの我慢や優しさを医療スタッフは望んでいないはずです。

 

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