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スピリチュアルな痛みの構造

■スピリチュアルな苦しみとは
 定義:自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛(無意味、無目的、無価値)
  「村田久行(京都ノートルダム女子大学 人間文化学部)」

  • 人生の意味・目的の喪失
  • 衰弱による活動能力の低下や依存の増大
  • 自己や人生に対するコントロール感の喪失や不確実性の増大
  • 家族や周囲への負担
  • 運命に対する不合理や不公平感
  • 過去の出来事に対する後悔・恥・罪の意識
  • 孤独、希望のなさ、あるいは、死についての不安
    「森田ほか:終末期がん患者の希死念感と身体的苦痛・実存的苦痛。ターミナルケア10(3)、2000」

■人間の存在を定義づける三つの存在とスピリチュアル・ペイン

  1. 時間存在
    将来があるから現在の自己の存在が認識される
    ある受験生の例
    過去:小さいときに看病の経験
    将来:看護師さんになりたい
    現在:看護学科入学を目指して勉強
    人は何か困難な状況にぶちあたり、逃げ出してしまいたいとき、将来があると信じられるから強くなれる

    時間存在のスピリチュアル・ペインのサイン
    「こんなことやったってしょうがない」
    「何をしたらいいのか分からない」
    「早く楽にして欲しい」

  2. 関係存在
    人の存在は他者から与えられる
    他人から認識されることによって自己の存在を体感できる

    関係存在のスピリチュアル・ペインのサイン
    「孤独だ。周りに人がいてもたまらなく寂しい」
    「生きている実感がわかない」
    「誰も分かってくれない」

  3. 自律存在
    自律:自己決定することができる存在
    自律≠自立
    自律は、たとえ、ひとりでトイレに行けなくても、排泄方法を選択できる。
    自立は、人に頼らないこと。ひとりでトイレに行けること、ひとりで食事をとれること。必ず限界が来る。

    自律関係のスピリチュアル・ペインのサイン
    「人の世話になり、自分で自分のことができないなんて、もういやだ」
    「なんの役にも立たない。迷惑かけて生きている価値がない」

■存在を支える3つの柱

■死が近づいて来た時、時間存在の柱を失う時

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